脈診へのいざない
皇漢堂鍼灸院 院長 船木 寛伴 著
\3,500(税別) たにぐち書店 発行(A5判、506頁)
 船木先生は1989年に、それまで斯界で行われてきた「脈状診」「比較脈診」「人迎気口診」など個々に発展してきた脈診の関係を明らかにし、 脈の体系的把握ができる実践的な技術書として『脈診、その手法と古典的背景』(たにぐち書店)を上梓されている。
 この度出版された『脈診へのいざない』は入門的な内容から専門的分野まで段 階的に理解できるような構成になっており、各自の力量に応じた要求に適う内容をもっている。
 また脈にまつわるエビソードも豊富で、博物的側面を持ち合わせており、読み物としても実に興味深 いものがある。
 だがその中心は、脈診の真の価値の追求にある。特に「科学」と「脈診」の関係とその有りようが大きなテーマになっており、その意味で前著『脈診、その手法と古典的背景』を新たに、多角的視点を 以て発展させたものといえる・・・・
 ベーコン、デカルト、ニュートンの流れの中で作り出された世界観に基づく近代科学の「客観性」「再現性」を尺度として東洋医学(脈診)を捉えることは不 適切であり、その「非科学性」を強調することは当たらないと力説する。
 東洋医学の世界観は、「総合性、相対性、同根性」等を含むものであるが、それは量子論やいわゆるニューサイエンスなど の考えと多くの点で類似性をもつものである。「脈診」を行うとき、このような「科学的根拠」に確信をもつべき事を「いざなわれて」いるようである。
一木村弘先生、序文より抜粋−
序 文(木村 弘)
この本が世に問う意義(寺山 心一翁)
まえがきにかえて
 第1編 身近なり、脈診
第一章 体温計と脈診
第二章 いびきと脈状
第三章 春秋の秀歌と脈状
第四章 名医と脈診−扁鵲−
1 扁鵲と桓公
2 神、聖、工、巧 ― 望、聞、問、切
3 未病を治す
4 扁鵲の卓見
第五章 名医と脈診−郭玉−
1 男女脈
2 陰陽論
3 高雅な人品
第六章 妊娠と脈状
1 『脈経』のいう妊娠鑑別法
2 産科学の妊娠徴候
3 脈状に拠る男女識別法
4 臨月を知る脈法
5 筆者の臨床から
6 述 懐
 第2編 深遠なり、脈診
第一章 気と血と脈診
1 古典鍼灸医学における気血
2 気
3 古典鍼灸の気
4 気の作用分類
5 気の分類とその名称の確認
6 気の生成
7 血
8 古典の語る血
9 血の生成
10 血の運行と調整
11 現代生理学における気血に照応するもの
12 聖典に見る「血」
第二章 胃根神
1 胃について
2 根について
3 神について
4 「胃根神」の発展
5 胃根神と治療の概略
第三章 諸病宜忌脈
1 一般症状と宜忌脈
2 個々の症状と宜忌脈
3 諸病と宜忌脈のまとめ
第四章 脈占い
1 大素脈法
2 筆者の経験
3 三脈術
天災予知集 / 三脈術の実際 / 当時の新聞記事 / 実例 / 記者の思考 / 仙道家の言 /
4 三脈術と現代的思考
気功と科学 / 共時性と集合的無意識層 / 私見 /
5 占断法の源流か? ― 人迎脈口診
「終始篇」と「禁服篇」 ― 人迎脈口診の実際と運用 / 天人合一、陰陽和合こそ根本義 / 人迎脈口診における平人の脈 / 人迎脈口診の実際 ― 比率と病経と治法 / 終始篇と 禁服篇のまとめ / 人迎脈口診に占断法はない /
6 結 語
和漢天地創生過程比較図
第五章 人も動物も天地のうち
1 動物の適応能力と人の「四季の脈」
2 生気象学・生体リズム・生理変化の原理
3 「四季の脈」とは
4 五臓(五季)の正脈
5 胃の気の脈の大切さ
6 五季の配分
7 四季の脈についてのまとめ
8 臨床的私見と運用
9 脈状から診た予後判断
10 一般システム理論と「四季の脈」
11 天人合一思想とエコロジー
第六章 陰陽論
1 陰陽は脈診習得の根幹となる
2 『素問』陰陽応象大論
3 陰陽は天地の道なり
4 「列子」 「老子」 ― 道家の思想
5 宇宙の生成過程(相転移)
6 無について ― 量子論の世界
7 道しかして陰陽
8 無(道)は絶対神ならず
9 陰陽は万物の綱紀なり
10 陰陽は変化の父母なり
11 陰陽は生殺の本始なり
12 陰陽は神明の府なり
13 円方と‘あわ’、その形象と動態
14 結 語
第七章 脈図を描こう
1 脈診上達の早道
1.脈位のハッキリしない脈状
2.釜沸?の脈
3.左関上の脈とガングリオン
4.再びガングリオンと左関上の脈
5.脾土、腎水相克調整の必要な脈状
6.胃の気(脾土)、根気(腎水)ともに虚損した脈状
7.左右の脈差について
8.沈脈の意義
9.浮虚数、心気の焦りを感じさせる脈状
10.五十肩や五十肩に類する症状の脈状
11.メランコリー症状と固い脈状
12.六部定位の個々の病脈を精査する
13.水質の邪と運気脈−時節と病体−
14.胃根神ともに虚耗した脈状
15.高血圧患者の特徴ある脈状
2 結 語
第八章 寸口脈診と加速度脈波
1 古典脈診に惹かれて
2 本章の内容
第一部 脈 波
1.血流の大切さ
2.血液循環の生理
3.脈波計および脈波
4.指尖容積脈波と加速度脈波
5.指尖容積脈波の詳細
6.加速度脈波の詳細
7.結 語
第二部 寸口脈診
1.経絡についての概論
2.寸口部で脈を診る意義
3.寸口部の解剖学的意味
4.経脈の流注
5.脈気と呼吸
6.脈気に対する私見
7.数種の脈法の形式、そして寸口脈診
8.寸口脈診の特色
9.寸口脈診の実際
寸口脈診の分類 / 脈状診法の実際 / 胃の気の脈 / 季節時候の脈‐運気の脈 / 左右どちらかの脈を主眼におくか / 人迎気口診の実際 / 比較脈診の実際 /
第三部 寸口脈診と加速度脈波の比較検討
1.本章の目的を再記
2.検証の方法
3.観察内容
4.臨床例の提示
5.観察内容の実例
6.観察内容の考察
7.結 語
第九章 脈診雑感
1 感覚を研ぎ澄ます!
2 作用力に対する反応力
3 大きなサイクルで変化する脈状と小さなサイクルで変化する脈状
4 ある医師への手紙
5 筆者必携の二つの図表
主要参考引用文献
あとがき
[トップページ] [治療院案内] [院長プロフィール] [治療内容と適応症] [著書紹介1] [著書紹介2]
皇漢堂鍼灸院 秋田県秋田市南通宮田4-25 Tel:018-835-9165